読書感想:精霊の守り人
古本屋の100円コーナーで見かけてつい購入
実家にハードカバーがあるのだが、読みたくなったので仕方ない。
何度も再読しているが、いつ読んでも極上のファンタジー作品である。
初めて読んだ時は、バルサよりもチャグムの年齢に近かった。
あの頃は30歳の女用心棒が主役であることをとても新鮮な気持ちで読んでいた。
児童書の主人公としては結構年配だと思ったからだ。でもその年配のおばちゃんがめっぽう強くてめちゃめちゃカッコイイときた!!こんなおばちゃんに私もなりたいと思うとともに、自分と年齢の近いチャグムが自分の運命を自分で選べないことがとても悲しかった。この子はこの先どうなっていくのだろう?
宮でずっと生活していれば知らずにすんだ外の暮らしを知ってしまった。知ってしまったが為にこれからの宮での生活がつらいものとなるのではないか?
バルサとはまた会えるのだろうか・・・?
そんなことを考えながら、続巻が発売されて図書館に並ぶのを首を長くして待っていた記憶がある。
今は、バルサよりも年上になってしまった。
この年になって読むとやはり読む視点は変わってくる。
チャグムの視点よりも、バルサの視点に近いところで感情移入してしまう。
バルサの強さも、ただ強いだけではなく人間らしい弱さやチャグムへの母性に似た感情も・・・そしてタンダへの思いも。
1人の女性としてのバルサを、今回の再読では感じることが出来たと思う。
ほんと、いつ読んでも極上のファンタジー。
ただ一つ難点があるとすれば、中毒性かな。
引き込まれ過ぎてなかなか出てこれない。特に妄想女には一度どっぷりつかると
這い出てくるのが困難な沼かもしれない。
2018.10.7 再読 ☆☆☆☆☆